アイルランドで開催かいさいされた体操大会たいそうたいかいの表彰式ひょうしょうしきで、黒人こくじんの女子選手じょしせんしゅだけがメダルを渡わたされなかった場面ばめんの動画どうががＳＮＳ上じょうで拡散かくさんし、米国べいこくの黒人女子体操選手こくじんじょしたいそうせんしゅで五輪金ごりんきんメダリストのシモーン・バイルス選手せんしゅがＸ（旧きゅうツイッター）に「胸むねが痛いたむ」と書かき込こんだ。

動画どうがは昨年さくねん３月がつの大会たいかいで撮影さつえいされた。一列いちれつに並ならんでメダルを受うけ取とる女子選手じょしせんしゅたちの中なかで、黒人こくじんの１人ひとりだけが飛とばされている。

バイルス選手せんしゅはＸへの投稿とうこうで、動画どうがの拡散中かくさんちゅうにこの選手せんしゅの両親りょうしんから連絡れんらくを受うけ、ビデオメッセージを送おくったことを明あかした。そのうえで「どんなスポーツにも人種差別じんしゅさべつがあってはならない」と書かき込こんだ。

アイルランドの体操協会たいそうきょうかいは２２日にち、大会後たいかいごに保護者ほごしゃの１人ひとりから人種差別的じんしゅさべつてきな行動こうどうの指摘してきを受うけ、８月がつに解決かいけつしていたとする声明せいめいを発表はっぴょう。担当たんとうの職員しょくいんは意図的いとてきに飛とばしたわけではなく、ミスに気付きづいてすぐ、選手せんしゅが会場かいじょうを去さる前まえにメダルを渡わたしたと説明せつめいした。

声明せいめいによると、職員しょくいんは「悪意あくいのないミス」について「深ふかい遺憾いかんの意い」を表明ひょうめいし、選手せんしゅと家族かぞくに直接謝罪ちょくせつしゃざいしたいと申もうし出でた。拒否きょひされたため、書面しょめんで謝罪しゃざいしたという。

これに対たいして選手せんしゅの母親ははおやは先週せんしゅう、国内紙こくないしアイリッシュ・インディペンデントとのインタビューで、苦情くじょうは未解決みかいけつで謝罪文しゃざいぶんも誠意せいいがなかったと主張しゅちょうした。

母親ははおやは「体操たいそうの大会たいかいでは私わたしたち家族かぞくだけが黒人こくじんということが多おおい」「パキスタンからエチオピアまでの８００万人まんにんが動画どうがを見みて不当ふとうな行為こういだったと理解りかいしているのに、体操協会たいそうきょうかいはそれを認みとめて謝あやまることができていない」と訴うったえた。動画どうがの閲覧者えつらんしゃはその後ご、４０００万人まんにんを超こえている。

体操協会たいそうきょうかいは２５日にちの声明せいめいで、「起おきてはならないことだった」「当日以降とうじついこうの出来事できごとがさらに混乱こんらんを招まねいた」と改あらためて謝罪しゃざいした。